「庶民だったんですね」

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クウシンサイの畑。農薬一度も使わないけど、病虫害なくすこやかに育ってます。


埼玉のお客さんから

ウチの近所には不動産数十億の資産をもっている大金持ちの農家がたくさんいます。
錦さんも、こんなに果物が安いのは、お金持ちだからショウバイはどうでもいいからだと信じてました。
庶民だったんですね


という内容のメールをいただき、おもしろいな~~と思いました。


都会に近いエリアと、都会から遠いエリアでは、
「農家」という単語のニュアンスが、同じ単語とは思えないくらい違うということ。


わたしの結婚に際して

「果樹農家に嫁いだ」=「果樹園に玉の輿にのった」

と解釈した東京の人がいました。

山梨あたりで果樹園=大金持ち
な農家がいっぱいいるからなのでしょうか? 考えてもなかった反応で驚きました。

ウチは庶民と言う言葉が上等に聞こえるほど、の庶民ですよ~


いずれにしても、首都圏や首都圏に近い、地価の高いエリアでは、
小さな畑といえども、まとめてしまえばとんでもなく高いから
そこで野菜をつくって、直売したいなんて、酔狂なことになってしまうこともあるでしょう。
固定資産税を支払うには、もはや農業では無理、という理由も大きそう。


地方では、別の事情で農地の存続が難しい。
ある友人は今年から、大規模な田んぼを、食料用から家畜の飼料用に転換しました。
人間ヨウでなければ、手間がかからず、補助金が高い飼料稲は有利。
こうした補助金の制度がなければ、担い手が不足している農家が農地を存続させるのはとても難しくなります。
農地が農地であり続けることが難しいのは、都会の農家も田舎の農家も同じです。


フランスが広大な農地面積をキープし、国土イメージをキープできるのも、
農家への補助金が大盤振る舞いされているから。
世界有数の農業国でさえ、です。
農産物を売るだけでは、経済的に厳しい。ツトメに出たほうが安定します。

60年前にはじまる経済成長期、豊かさを求めた農家の息子たちが
農業以外の職業につきたいと志したのも、当然のなりゆき。
当時の政策も、車産業を栄えさせるためには、農業を捨ててよし、という方向にあったことは
確かですし。

そんな中で、農業をつないできた担い手の人たちは、強い意思をもって農業を選んだのだろうと思います。

それは今も大して変わっていません。
うちもそうですが、あえて農業を選んだ人の多くは、
豊かさの指標を、儲けではないところにおいています。
野菜を販売していただいている農家のほとんどがそういう農家です。
強い意志かどうかはわかりません。


だから
お客さんとのネガティブなやりとりを、とてもとても嫌がります。
ちょっとした問題を伝えるだけで、「取引中止」のシャッターが下りてくる空気感がビシバシある農家も珍しくない。


こういってはなんですが、最近の「お客さんは神様です」「儲け第一」の経済でまわっている大多数の企業と
そういう農家は違う思考回路で仕事しています。

モウケ以外の目的や志向を杖にして、働いています。
うちのしゅうとが卵を販売する際に、もっとも嫌がったのが、最後までストレスになっていたのが
ネットで、都会のお客さんに売ることでした。
ホッとした、と何度か言われて、そんなにイヤだったのか、そんなにも不安にさせていたのか、と今更のように驚いてしまうほど。

卵の梱包を最大限に強固に頑丈にし、価格をもっと高くすると、しゅうとのストレスは緩和されたかもしれないと
いまごろ気づいたりしますが、そのようにして事故をゼロにする工夫が
千人に一人もいないウルサイ人のためだとすると、やはりできなかったです。
千人に一人いるかいないかの神経質な人のために、規格ごと変えることは、大企業ではよくあるようですが。


まあ、いろんな農家があります





金曜発送の野菜セットは、今日水曜正午締切です。ブドウと栗のご注文も以下で。
錦自然農園フルーツストア
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