太陽光発電が緑の国土を黒く塗りかえる?

私たちの住んでいる場所は、
農業しても儲からない、農業の担い手の多くが後期高齢者という農村地帯ですから、
遊休地がとっても多くて、
ちょっと見ないうちに自然の風景が「太陽光パネル」の風景に変わっていた、なんていうことは、しょっちゅうです。

「太陽光がどーーんと、畑の横にできたおかげで、
気温が下がらなくなってしまって、作物に影響して困っとる。
どこに問題をぶつけたらいいのか」



という嘆きをご近所から聞きました。

別の人からは、

「うちの畑のすぐ横にできるらしい。
これができたら、うちから見える風景が真っ黒になってしまう。
毎日、そんな風景みるなんて、とんでもないよ。
パネルのせいで気温も変わるし、畑に絶対影響すると思う。
やめてほしいけど、どこに持っていけばいいと思う?」



と持ちかけられました。

「役場にいったら?」

「企業と個人の間で話が成立してるものを、行政が何をいうこともできないって役場に電話したら言われた」

とのこと。

「近所の人はもうハンコ捺したの?」

「何人かはね。絶対捺さない、って言ってる人もいるけど、年取ってる人は、伸び放題の草や竹やぶをどうにもできんとことを、
きれいにしてあげますよ、なんていわれたら、今まで気になっていたことが解消できるわけで、大助かりって、ハンコなんかいくらでも捺すよ」

「あーーそれはわかるねえ」

「そうやって、老人の手に負えなくなった遊休地が、
こぞってあの真っ黒で殺風景なパネルになってしまったらよ、
錦町はどんな風景になってしまうと思う? 
そんな町に移住したいとか、学校卒業したら戻りたいとか思う?」



東洋経済オンラインからの引用です。


「国土の約65%が森林、約15%が農地であることを考慮すると、非森林・非耕作地の4%を太陽光発電施設に振り向ける必要が出てくる。これは、九州における同様の土地の約3割に匹敵する。これまでの発電効率実績を踏まえると、約半分が必要との試算もある」

九州における耕作放棄地はどれくらいあるのか調べましたら、60570ヘクタール(平成22年)
非森林、非耕作地とイコールではないですが、この数字の3割とは18000ヘクタールということ。

2万ヘクタールってどれくらいかぴんときません。

九州の耕地面積は55万ヘクタールだそうで(平成25年)。2万ヘクタールってけっこう大きい。
半分にしたらいいって試算があるそうですが、どこまで増やしても、これで大丈夫ってならないでしょう。


そこまでして太陽光パネルだらけの風景にしたところで、
電力がどれだけまかなえるかというのも、論点のひとつ。

アメリカやオーストラリアのような、年中晴天、広大な砂漠地帯がある国だったらまだしも、
世界6位の降水量の国、タイより年間降水量が多い日本です。

日本の日照量で発電できる1㎡当たりの電力量が、米カリフォルニア州の半分しかない

と前出の記事にもあります。


わが錦町に話を戻すと、盆地のため、冬は正午まで濃い霧に覆われて、日照どころじゃありません。
春から秋まで、しょっちゅう長雨、豪雨にみまわれております。

どこをどう考えれば、太陽光でエコロジカルな電力供給、なんて考えられるのか。
設置さえすれば、補助金が出るから、作っている、といわれても仕方ない。


日本の風土にあう電力の作り方ではないということが、すでにわかっているのに、
緑したたる風景をつぶして、一部の業者の利益に変えられていく現状を
このまま見過ごしていると、
10年後に「あのとき、規制をつくっておかなかったから」という話になりそうです。


「ねえ、誰に話をもって行けばいいと思う?」

友人が聞きます。

「うーん。この話の難しいとこは、危機感を持っている人と持ってない人の温度差が激しいところだよねえ」


誰もエネルギー問題の未来を知らないのも、問題をややこしくしている。
予測も推測もできるし、今現在の数値をもとに、誰かを言い負かすことはできるだろうけど、
今ある資料で未来を計ることは、ほんとうは誰にもできない。


一企業の営利活動を、行政が止めることはできません、と言っていると、

「山も土地も水も、知らないうちにぜーーんぶ、どこかの遠い場所に住んでいる人のものになってしまう」


友人の嘆きを、危機感のない人にどうやって届ければいいんでしょう。




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