「農薬使わない人たち」の理由

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来月半ばすぎから桃の受付はじめます。写真は去年収穫を開始した6月6日。農薬は今年も1回だけ。
今年は竹パウダーをパラパラとまきました。いちごはまだまだ収穫続きますよ~~



日本のような高温多湿の国は、虫も菌も多いので、
虫や菌を嫌う人は、殺虫剤や殺菌剤を頼りにします

農業者だって、もちろん虫も菌も嫌いです。
畑で育てている大事な「子供たち」を守るため、農家は殺虫剤が殺菌剤を使いますよ 当然

人類の寿命なぜにここまでのびたかといえば

衛生管理システムの発達? トータルでみれば、薬のおかげですよ
食がこんなに量産できるようになった理由? クスリと肥料のおかげですよね


にもかかわらずなぜ
薬を使わないで農業をする人がいるのか


【① 作業時間が削減できる】


うちが就農当初から、農薬も肥料もちょこちょこしかやってなかったのは、
忙しくて手がまわらないからだった。超性能のよいSS(散布用車両)も買えないし


【② 経費をけちれる】

農薬代に数百万円使っている農家は普通にあります。農薬は貧乏農家には変えません。


【③ 慣行農法より高額で売れるから】

高額で売れたとしても、農薬の不足で量がへるので、収支が慣行農法よりよくなるかどうかは、農家それぞれ。
うちは価格を高くしないと収支がマイナスになるのでじりじりと高くしているけれど、ぜんぜん追いつかない。

農薬不使用に価値を置く人が少ない場所で販売すると、慣行農法より無農薬作物のほうが安くなることも。


【④ 体を大事にしたい】

農業と病気の関係はいろいろいわれているものの、他の要素がありすぎて検証が難しいです
ただ、ハウスという密室で、高濃度に薬剤を散布していれば肝臓あたりがやられると聞きます
農薬使用量が極めて多い作物といえば、果樹やお茶ですが、これらの生産者は脳・神経に関する病気になりやすいという説も聞こえます。
腎臓透析が熊本宮崎鹿児島は多いですが、動物性堆肥が集積しやすいことは関係があるかないかは知りません

散布する人の健康だけでなく、その家族のために使わない人も多いかと思います。
田んぼに対してラジコンヘリで農薬を散布するのが一般的ですが、それは有人ヘリで散布するより濃度が濃くなりがちなのだそうです。そのためかどうか検証はされていませんが、近隣の小学生以下の子供に神経的な問題が出る率が高い場所もあるそう(近所の自治体です)。理由は周囲に田んぼが多いせいじゃないか、とささやかれています。
有人ヘリのほうが体に対する害が低かったのに、飛行機が農薬まいている風景はいかにも怖いから役場にクレームがくる。1件のクレームで有人ヘリが中止、ラジコンヘリに移行した地域のことを関東でききました。

【⑤ 地域ぐるみでそれをすると地域イメージがあがり、地域が潤う】 

宮崎県綾町は先進町。上手だと思います。
町の住民税を大きく上回る多額の税収がエリア外から入ってくるのは、オーガニックタウンという町のイメージづくりに早い時期に着手し、しっかり成功させたから。
太陽光発電の推進やすぐにアジアに拠点を移すような工場を誘致するより、賢い方法。


【⑥ 自分の食べたいものを作りたい】 

この理由は、聞こえてくる範囲でいえば、かなり多いと思います。


【⑦ 無農薬という言葉に呪縛されている】 

ちょっとの農薬使用さえ「へたれ」と思うそうです。農家はもちろん、食べる側にもこのタイプがいます。
「農薬なんかつかってんじゃねー」という声の持ち主に包囲されて、降りられなくなってしまったり
たぶん無農薬で頑張っていると農薬不使用でも大丈夫な土ができる、という神話のせいもあるかも。
そんな神話はない、という声がよく聞かれます。
10年不遇の時期を経て無農薬で十分な収穫があげられるようになったけど、
また状態が元に戻った・・・という話もききます。


【⑧ 農薬削減が地球のためだという信念】 

土壌も大気も化学物質で汚染されますし、それがどの程度、残留するかは使い方によりますが、あまりにやりすぎると、えらいことになってもう戻らない、土壌を健康に戻すのに何十年もかかる、といわれている場所もある。
そこまで農薬漬けにされた土地は、たぶん有名産地です。基本的に貧乏な田舎はそのレベルの農薬使用、無理。

【⑨ 農薬削減した作物を食べるほうが健康的という信念】 

無農薬作物が健康的であるという文脈はとても恣意的で、イメージに彩られているなあと思うことが多いです
農薬に健康被害の可能性はありません、というと間違っているが、
慣行農法で作ったものを食べると病気になります、というのも間違っている

果樹の場合、日本の基準を少し減らすくらいではぜんぜん足りない。
うんと減らさないと健康的な食べたいものにならない
と、思ってますが、それもただの信念。 正しいかどうかわからない

【⑩  農薬削減した作物のほうがおいしいという信念】

無農薬の作物にはおいしいものが少ない、という声をやまほど聞きました。
ウチはそうではない珍しい農家だといわれます(笑)

農薬不使用のせいで収穫が減る→不足を補いたいから堆肥を使いすぎる→肥料過剰で味が落ちる
という流れはあるかもしれません。農薬使わないのに、おいしくない場合は肥料使いすぎているから。あるいは

品種がすでに現代人の味覚にあわない。
在来種など古い品種になるほど、おいしさがわからない人が多いとしばしば聞きます。
慣れが嗜好をつくるので、ここは誰が悪いといえない問題です

農薬かけると1週間くらい光合成を阻害するという説があり、その阻害された時期の蓄積が
作物の味を悪くするという論には経験的に納得できるとこがあり、1票、です。

【⑪ 農薬使わないとどうなるんだろうという好奇心】

うちはいったいどれかと考えましたら、これが最大の理由でした。
こんなことしたらどうなるんだろう、とどんどん減らし、どんどん窮地に追い込まれ
それをなんとかしたいと加工品増やしたり、売りかた考えたり
悩みをどうやって解決するかの連続で
実際的な自然との闘いには、ずっとまけっぱなし
で、この先はどうなるんだろう、とまた好奇心で先をみたくなる
この繰り返し


農業の周りでも、よくデータが論拠として重大視されてますが
科学データの取り上げ方は、意図する論・思想を裏づけするための恣意的な選択? と思うこともしばしば
医学も農業も宇宙も、答えをだれもしらないから面白い
農業に論をもってきても、どれも推論で実験で、結論ではないみたいというのが
ただいまの実感



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