フロントランナー

和歌山からお客様がおみえになりました

「かたやま農園」の片山さん


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片山さんも、農薬を超削減し、肥料をつかわず桃をつくっています

「こんな桃農家は他にありませんよ。うちとことウチヌノさんとあとうちの近所のYさんだけです」

「そうなんですか?」

「そうですよ 俺らがフロントランナーなんですから」

数本の桃の木で農薬肥料を使わない農法をしている人はいるでしょうが、
ある程度の面積の農園をすべて農薬1~2回、堆肥も化学肥料も不使用で収穫し販売している桃農家は、
ひょっとすると全国で3軒??
もしほかにもいらっしゃったらぜひ、知り合いたいです

改めてそんなことをいわれ、自分たちのしていることとのレアさに驚いてました

「おれらがうまくいくかどうかで、うしろに続く人が出てくるかどうかが決まりますよ」

あららら、そういうこと考えたことなかった
うまくいかないこと多くて、めげることが多いですし、確定的な栽培法を得ているわけではないから
農薬肥料に依存しない栽培方法で果樹を作りたいなんて人がいたら、こんなけもの道によくもまあ
と思うばかり

「めげることばっかりですよね。おれ、どんどん枯れていく木を見てすっごいめげました」

どこも試行錯誤のまっさい中なんだなあとまた思いました
どんなに長くやったって、ぜったいの農法なんてみつからないような気がしていますが、
それでもどうやったらおいしい桃が農薬肥料を最低限にしても、十分な量できるか、考え続け、実験し続け、いろいんな農法に耳をすませて、道を開こうとしていて、剪定には特に迷いが深い、というのもいっしょみたいです

「肥料やらないっていうのは、味がよくなりますよね」
「ぜんぜん違いますね」
「農薬の量でも味は相当かわりますよ」

お互いの収穫物をテーブルに並べて食べながら、「おいしい」と連呼し続ける片山さんとウチヌノ家

「このいちごはすごい」と何度もいっていただきましたが
「何がすごいんですか」とか聞いているわたし

「無農薬でこんなもんつくれるとこありませんよ」

「無農薬じゃないですよ。苗のときは普通ですから」

「苗・・・ってそんなん無農薬ですわ」


それはちがうけど、片山さんもイチゴをちょっとだけ露地栽培されていて、いちごのこと知らなくないから出てくるオコトバかと思いました

「このジャムうまいわあ」

と朝食のときにお出ししたいちごのジャムにも驚いていただいて喜びました


いちごにはもう驚きなどがなくなっている私ですが、はっさくでここまでおいしいのは未経験
今朝、目を覚ましていちばん最初に思ったのは、「おいしいみかんが待っている」
それだけでうれしくなりました
品種のひとつを残らず昨夜のうちに食べていたことを朝しり、がっかりしました

お客様から「冷蔵庫においしいいちごがある、と思うと朝起きるのもうれしい」とメールいただいたことがありましたが
その気持ちがはじめてわかりました


片山さんははっさくと桃の有名産地にお住まいです
「あらかわの桃」の産地です
人気の産地ですから、「農薬肥料でばんばんつくっていれば普通にもうかる」という世界です

そういう土地で農薬肥料を使わない栽培は、志がなくてはできないことでしょう

はっさくにいたっては、全国の8割がそこで作られているそうです
農薬肥料使わないなんて変わり者どころか、大変人扱いされているでしょう

「ぶどうの有名産地の●●なんてポルシェがうようよしてますわ」

有名産地というのは、錦町のように無名産地からみると、別世界です

世の中には有名産地の名前があること=おいしい
と思う人がけっこういますし(私も農家になるまえはそうだった)
産地名だけでおいしさも2割ましになると思われるのか、価格も高い

だから有名産地にいながら農薬肥料を削減しようなんて、思う人はとても少ない
果樹園=おかねもち、というイメージは私たちにはいっさいないですが、大消費地に近いところには、それがある場所があるのです

私たちの住んでいるエリアは、けっこう無農薬農家が多いです
今日はうちで販売させていただいている米農家の小川さんのところにもおつれしましたが

「9町(ヘクタール)もの田んぼをぜんぶ無農薬にしている人なんて、和歌山にはいないです」

としみじみ驚かれました

「7町だったかな、それぜんぶ無農薬のとこもあります。他にも米の無農薬をしている農家はけっこういますよ」というと、

「はーー」

驚かれることに驚きました

友人のJA職員の仕事場にも片山さんをお連れしました。

農薬肥料を使わない米栽培を指導している人ですが、彼が

「農薬肥料を使わないと収穫は慣行栽培の7割になるとかいわれるけど、農薬肥料使う栽培が130%もとれておかしいということで、ほんとはこっちを百%でみるのが正しい」

と冗談ぽくいうのを聞いて大笑いしました

「ぜんぜん違う」と片山さんが私たちのご近所さんの農業風景をみて驚かれたように
私たちも片山さんのお話をきいて、驚くことが多かった

和歌山のそのエリアでは、新規就農が農地を買うことはほぼなくて、みんな借地なのですって

「果樹でもですか」と驚きの声をあげる私たち

「そうですよ うちも借地です」

就農からたった5年で2町以上の土地を借りて耕作しているときいて、まあ、びっくり。
地主のほうから頼まれるので、まだまだ増え続ける予定だとか。
このへんでは野菜や米のための借地は可能ですが、果樹ではまず無理。買える場所を探すのだってものすごくたいへんでした。

「あー使って使ってってかんじで、うちらあたりは新規就農が土地探すのはそんな難しくないです」

そしてもうひとつのびっくりポイントは、桃には施設を使わないということ

これは桃に施設が必要な私たちのほうが全国的に珍しいのですが、台風の通り道であることや、雨の多さなどが原因か、ほとんどの桃農家が施設をもっている

経費がかかるこの重大ぽいんとが「免除」されるのが驚き
驚く私たちがあちらにとっては驚きなのでしょうが

土地の借りやすさが影響しているのか、新規就農がとても多いそう
で、彼らが販売にとても意欲的に取り組んでいるお話をうかがうのも、私たちには新鮮でした
新規就農でそういう人ってあまりいないから・・・・

まあ、ほんとに処変われば農業のイメージも変わるものだと勉強になりました!

片山さんは私が東京を去ったきっちり2週間後に会社を退職し、農家になったそう
2週間違いです。人生を変えたのが。
ほぼ同じ時期に剪定方法を変えことも判明。

「2010年に農家になった人すごく多いですよ」とのこと

「あたし、農家になりたいと思ったことないし、なる予定もなかったのに、なぜか気がついたら農家だった」

くだんのJA職員いわく

「いまの時代に農家になるというのは、農家になることで果たす役割をもっとるといういうことやね」



(・・・・おもしろいとこでしょう、くま)


片山さんのはっさくは今季完売しているそうです


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