儲かる農業、儲からない農業

新規就農の人と話をしていました
園主と二人で話をしてもなかなか広がらないけど
三人目がいると少し広がります
その人がいいました

「いくらの年収を求めるかというとこから発想すると、そのためには耕地面積はこれだけ必要、お客さんはこれだけ必要と割り出せる。今のうちの条件で求めるものにたどりつくのは、絶対無理というのがわかる。まず個別にお客さんに発送するやりかたではどれだけ顧客が増えても限界があるから、企業にまとめて、どんと送り出す部分を作らないといけない」

「そうだよね~ 量が捌けるもの、何かつくるといいよね。ネギとか薬味とか葉物とか、気候にあってるものをね。
でもたいへんらしいね、ネギとか玉ねぎとか収穫してから先の作業が大変だってよく聞く」

「そうですよ。それをするのが僕もいちばんいやで」

「企業にジュース用に送り出している人は、土もついたままそのまま出してるって。そのぶん安くなっても作業の手間がはぶけるのは大きいよね」

「でもそうやって考えると、そういうことのために農業するのは、はたして楽しいか、って話になってしまうんですよね」

そうだそうだ。それですよ。

「金額が発想のいちばん頭にあると、なんで農業するのかな、となるなあ。ならない?
儲けるためなら農業である必要ないし、だってこれまでやってきた都会の仕事のほうが儲かるしょう? 農業はかなり効率の悪い商売だもんね」

「●●さんって知ってます?最近●●って農業経営の本が話題になっている」

「知ってる。本も読んだ。でも何も共感できない。なんで受けているのかわからない」

「僕もよくわからないんですけど、ものすごく従業員やとってるし、儲かってるみたいですね」

「従業員が多いから儲かってるとはかぎらないんじゃないの?」

「でも人がいないとできることがすごく限られる」

「農業で儲けるっていうと最近はオランダみたいな方法がいいとかよくいわれてるじゃない? けど、結局溶液に肥料溶かして土から遠い栽培方法で、環境完全コントロールできるから農薬も減らせる環境守れる、言葉連ねると素敵に聞こえるけど、まちがいなく私はそこで作られる作物をおいしいと思えないと思う。
栽培してる当事者は美味しいもの作らなくちゃとは思ってないと思うけど。どうせ輸出するんだし、量と頑丈さときれいさが重要なんだし。儲かる楽しさがすべてをチャラにすると思うけど」

結局私たちは、野菜やくだものを特別扱いしてるからひっかかる。洋服や車と同じ考えで作ってるんだよね。オランダは。
それはある意味十分に正しいと思います。日本の農業をトヨタなみの輸出品にすることができれば、失うものより得るもののほうが多いかもしれない。でも・・・・・・・・・・

「いちごって中腰の作業が多くてかなり過酷だから、最近は地面から高いところにプランターみたいなの作って栽培するのが多いけど、そういうイチゴハウスはきれいで素敵だけど、いちごがおいしくなるわけないんだよね。でもそういうオランダ的な農業してばりばり儲かっていたら、美味しくないという声なんかまったく意に介さないね。

困ったことにうちは、美味しいといわれることにしか重きをおいてないから・・・」

「いちばん効率が悪い」

「そうなのよ。効率を第一にするなら農業しなくていいんじゃない?というのが私にも彼にもはっきりあるね。一定の儲けがないとつづけることができないから儲けは必要ではあるけど、儲け儲けで栽培して、自分たちがおいしくないと思うのを作るのは無理だと思う」

「美味しいということと経済効率はなかなか両立しないのかな」

「両立する方法はあると思うよ。だけど、まだみつからない。探している最中。実際うちは本気で儲けに取り組むなら苺だけでいくのがいちばん効率がいいと思う。イチゴは施設栽培だから気候が過酷化してもかなり適応性高いし、うちのいちごの味への評価は相当高い。私たち十分うちのいちごの価格は高いと思ってるけど、苦労にみあってないならもっと高くしてもいいんじゃないか、とお客さんにいわれたりもしてるし、のりしろは相当あるかもしれない」

「じゃなんで苺でいかないんですか」

「かれはイチゴ畑で座っているより、桃やぶどうの剪定をするのが好きなのよ」

「ああ・・・・」

苺だけはつまんない、桃だけもつまんない。そういうのお金じゃなくて気持ち優先で決めてるとこがうちの弱いとこか強いとこかわかんないですね

でも好きっていうのは大事な大切な最初の一歩です
好きじゃないけど、この先は農業がいいらしいと、じむろじゃーすがいったから農業にきました
なんてのは、いるかもしれないけど、なんかしんどそうです
好きを重ねていってるだけ、お金の計算もしてないけど、なんとか暮らせてます
というのが私たち
先のことどころか明日のことも考えられない
でも見えない水面下でのバタ足は大変なもんです

うちのお客様は知ってるけど、近所のお友達はわからない人が多い
ゆとりあるように見えるそうな☆

ばたばたばたばた

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