桃とぶどうと柿の日々

「酒とバラの日々」というふるい映画を映画館で見たことがあります

ぜんぜん関係ないけど今私がやっているのは、

「桃と葡萄と柿の日々」

この3単語で一日が始まり、終わります


そろそろ別の風景見にいかないと、頭が疲れてしまう
ということで、明日とあさって農園を留守にして、福岡に行きます
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果物はすぐエネルギーになる

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草ぼーぼーの葡萄園で、枝を切っているところです

31日が新月でしたっけ? もうしばらくこの作業続きます

元気に伸び茂っているぶどうの枝をなんでちょんぎるのかといえば
茂りすぎて太陽の光がぶどうの実に届かなくなるのを防ぐため、というのがまずあります

もっと重要なのは、木が体を大きくするために使うエネルギーを
実を充実させることに使ってもらったほうが、実が美味しくなるから


人間もたくさんたべものを取り込んで太っていくと
食べ物を消化するために大量のエネルギーが使われてしまうので
それ以外のところにエネルギーが回らなくなることとちょっとだけ似てます


なににエネルギー使うって、たべものを消化することってものすごくエネルギー使うそうです
体力衰えてくると食べ物を取り入れたくなくなるのはそのせい


しかし、くだものの場合は、消化酵素をくだもの自身がもっているので
からだに入れたら即座に消化に向かい、体内のエネルギーをそのために消費することがほとんどありません

体が弱っているときはもちろんのこと、
すぐに元気になりたいとき、くだものを食べると「ふっかーつ!」

という気分になるのはそのせい


私は最近つかれがたまってる、と思うとそこにある桃にかぶりつきます
やっぱり、即効で元気になります


糖分は、体内に取り込まれるとすぐに脳を働かせるエネルギーに代謝されるため、
「つかれた」という自覚のもとになる脳の疲れに即効性があるのだそうです


うちのジャムを気に入ってくださっているお客様から


「疲れた、と思ったときはおたくのジャムにおさじ突っ込んでそのまま食べるだけですぐに元気になる。

ダイエットしたいのでお菓子などはあまり食べないようにしているけど、このジャムは少しで満足感が得られるからとても助かります」


というようなことを言っていただきましたが

ジャムをつくりはじめると、「今日はもう作りたくないな~」と思っていたたるーいモードが消えていくのに驚くことがあります

ぐつぐつ煮えたぎる銅鍋の前に立ち、桃ジャムを煮るとき、知らないうちに吸い込んでいる桃の芳香に癒されているのかな 

あれはちょっと不思議 ジャム作り中にかかってきた電話に出るとき、自分の声がハイすぎる、と思うことあります


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錦自然農園のぶどう、注文受付中です

これはピオーネ。

ではなく、藤稔

今後、どんどん黒っぽく色づいていきます

タネナシです(本年度販売するものは、ハニービーナス以外はすべて種なしです)。

レスベラるトールをとりこんで、サーチュイン遺伝子を活性させ、
アンチエイジングをはかりたいかたは、どうぞ皮ごとめしあがってください

農薬はタネナシにするためのジベ(植物性成長ホルモン)以外は使ってません


錦自然農園のホームページの「お客様の声」らんに
ようやく、桃の感想をアップしました
ほんとうは、5月くらいからすべきところだったのに
ここまで遅くなってしまった・・・・

まだ全部じゃなくてすみません

すてきなお言葉をいただいたときに、これ、HPにのせていいですか? と
おたずねし、了承をいただいておきながら、アップしてないものたくさんあります

また近いうちに更新します

ポジティブなご意見だけでなく、ネガティブなご意見も載せさせていただこうと思っています

いろんな受け取りかたのある桃なので、
そのお客様に似た好みのひとには「ここは要注意だ」と思ってもらえるので








桃じゃないみたい!

不備だらけなのに、あるいみほったらかしの錦自然農園ホームページ

ついに業者にやってもらおう、ということに決定(園主の反対は最後までありましたが)

どこにやってもらうか決めるために、いま、あちこちに話聞いてます



「なんでも自分でやる主義」の園主は、ジャムのラベルデザインも、印刷も、名刺つくりも、ホームぺージも、家具つくりも、自宅の家づくりも、全部じぶんでやります。家はもう建築しはじめて5年目に入りました。しかし年々農作業は忙しくなり、時間はなくなり、完成だけはしない・・・・

あと二階の1部屋に畳を入れてくれさえすれば、うちに泊まりに来る人がリビングに転がることもなくなるんですけど・・・ 

HPにしてもです
農園ホームページの「お客様の声」だけでも更新して欲しいんだけど
「もう、口がすっぱくなっちまった」(by 清志郎)
早く業者を探さないと!


今日横浜のかたからお電話をいただきました


「桃すごく美味しかった。こんなの食べたことない。これはもう桃じゃない。別のくだものみたい」



おー! と内心ひどく驚きました
わたしもそう思うことがあるからです。これ、桃じゃない。
どこかで食べたことのある別のくだもの。だけど、それが何か思い出せない・・・


「おたくのは、いちごも硬かったし、柿もそういえば硬かったけど、どうして?」

「うーーん。想像でしか言えないですが、今流通しているいちごのほとんどは直接土に触れないよう管理された状態でつくられていますし、桃もハウスで育てて化学肥料や農薬で、いろんな条件をコントロールしながら作られている。

うちのそういうのの逆で、自然に限りなく近いので、実がしまってくるんじゃないですかねえ

品種もあるし、6月に収穫する品種の桃はもっと柔らかいですけどね」



わたしが初めて園主のくだものを食べたのは、大秋柿でしたが、まずやってきたのは、
「柿の芸風はここまで広いのか?」という驚きでした

柿とはこういうものである、というこちらの思い込みを軽くひっくり返した


いい意味でも悪い意味でも
うちの果物を初めて食べた人から「こんなの食べたことない!」といわれます


桃は全世界で食べられているので品種の数は数え切れないと思います
しかし発祥の地、中国からシルクロードでペルシャにいき、それから弥生時代に日本に入ってきた
なんていわれています。

どんなDNAをその内側に潜ませているんでしょうね


商売になりやすいというニンゲン側の事情でやむなく植物に対して行われてきたことを
イッコずつ外していくと、くだものは、その潜在力を無限に発揮していくのかな


古事記にもイザナギノミコトが邪気を祓うために桃を使った話があるそうな
(投げつけたそうですが)
古事記が編纂された奈良時代に厄除けに桃が食べられていたことがここからも伺えます


イザナギノミコトが投げて邪を退散させるのに使うのだから、桃=やわらかい、という発想が古代のひとたちにはなかったかもしれません


どうぞ邪鬼払いに、川中島白桃をつかってください
できれば投げずに食べてくださいませ


自然の力をドカドカ吸い込んだ先祖帰り桃、
8月7日前後からの収穫です



PS いまジャムをつくるときなど、RCサクセションを久しぶりに聞いていて、歌詞がつい、でてきます

PS2 柿は今年も無農薬に対応できるかどうかの瀬戸際で、収穫は相当少なくなるかもです

   この時期を乗り越えたら、また、「こんなの食べたことな~い」とお叱りや称賛を受ける柿になっていくんでしょうか がんばれーー、柿!


果樹農家の一日

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きょうのスケジュール


朝5時から 

桃の収穫(まだ白鳳収穫してます)

 7時から 

川中島白桃の木の下にピカピカシートをしく(桃のお尻のほうからも日光を反射させて、味をおいしくします。汗だくだくになります)


写真は川中島白桃のエリア

いっこだけ赤いのありますが、ほとんどはまだ緑色

これから日々、まいにち、色づいていくのが楽しみ!


 8時から

「おひさま」みながら朝ごはん


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ここに出ているのはほとんど「自作」

桃でしょう、なすび(お味噌汁のなか)でしょう、きゅうりでしょう、トマトでしょう

コップに入っている琥珀色の液体は、桃やぶどうに噴霧している「筍&薬草酵素」
自分たちも飲んだほうがいいかも、と今日から
お酒のようなとろりとした液体は、
あさ飲むには少しおもたいです

このあと園主は一升瓶いりの酵素をおっことして、割ってしまいました(もったいない!!)



 9時から 

園主は桃の仕分けと発送業務
      
わたしはぶどうの枝切り


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新月が近いので、枝やつるをきりつめていきます。
この作業ものすごく楽しいですが、ときどき間違った枝を切って

「あー\(◎o◎)/!」

とひとり騒いでます

あと一ヶ月でどれだけ成長してくれるのか、私にはまったく予想できない世界です
 


で、午後からは予定ですが


 渓流にいって昼ご飯したのち


 園主はひきつづき、桃の箱詰め

 わたしは掃除と片付け

 伝票整理

 コンフィチュールつくり


 夕方から発送のどたばたをふたりでする


 園主は柿園にいき摘果
 
 わたしはコンフィチュールつくり



 7時頃家に帰ってきたら

 まずお風呂

 それから二人ともパソコン業務


 夕ご飯

 ねる


  
お、本読む時間はどこさいっただ?

読もうとして、すぐそばに置いてあるのになかなか読む時間とれず進まないのは「新訂 福翁自伝」。
ごぞんじ福沢諭吉の自伝。
自伝としてのおもしろさは破格と聞いたので買いました。じっさい、おもしろいです

「慶応三年、アメリカに行く。これで三度目の渡米」

なんてちょっとめくったら出てきます。 

アメリカだけでなくヨーロッパにも使節としてわたり、驚くこといっぱいの毎日を楽しんでいる雰囲気が伝わってきます

 
あとドナルドキーンの「明治天皇」もおもしろい
明治天皇って、すごく魅力的なんですが、その皇后がもっとおもしろくて、
天皇のお妾さんとかをつれて、天皇に会いに行ったりしてます

自分のしあわせより天皇のしあわせを優先したのでしょう
皇后は和歌も上手で美人でたいへん賢い

NHKの大河で「明治皇后」なんてやってほしい






皮ごと食べられるぶどうで、アンチエイジング

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ピオーネです。
8月末には収穫できるかなと思ってます。


ところで、

ぶどうの皮は

ちょっと無理してでも、食べたほうがいいようです
アンチエイジングのためには。


ここでいっているのは、黒系のぶどう。
ピオーネ、藤稔、ブラックビート、巨峰・・・などです。


最初に結論をいうと、黒っぽいぶどうの皮に豊富に含まれる物質が、老化によって生じるさまざまな健康問題を改善する働きがあることがわかってきています


黒系のぶどうには、レスベラトロールという物質が含まれています。
レスベラトロールは、ポリフェノールの一種であるケルセチンに含まれます。

(ポリフェノールはとてもたくさん種類があります)


このレスベラトールを最大に含む食品が、ぶどうです。

ではレスベラトールが何をしてくれるかというと、長寿遺伝子であるサーチュインを活性させるのです。


サーチュインは、2000年にマサチューセッツ工科大学の教授が発見した長寿遺伝子です。

サーチュインが元気に働きだすと、

活性酸素を除去する酵素に司令を出したり、
ミトコンドリアや筋肉を強化するよう促したり、
インスリンの働きや、インスリン分泌の具合を調整したりしはじめます。

認知症を緩和するとか
血管を柔らかくし、血小板の凝固、ひいては血栓の形成を防ぐので動脈効果や脳梗塞など心血管系の病気も防ぎます
メタボ対策にも有効です。
悪玉コレステロールの酸化を抑制し、脂肪の蓄積を防ぐそうです


つまり、年を重ねれば自然に衰えてくる体内の機能を、細胞レベルから「ちょっと待った」をかけてくれるのがサーチュインというわけです。


ショウジョウバエやセンチュウを使った研究では、サーチュインを活性させると寿命が3割~5割長くなったそうです。


レスベラトロールとサーチュインについては最近、NHKでも番組をつくって取り上げていました


慶応義塾大学の坪田一男教授(日本抗加齢医学会副理事長)も
サーチュインを活性させれば、老化は遅くなる、ということを熱心に説いています。


今書店に出ている「婦人公論」を見ますと、
坪田教授はサーチュインをとるために、


「ぶどうは皮も食べます」


とおっしゃっています


「最初はちょっと苦いのですが、ぼくはもう慣れました」とのこと



ぶどうの皮を食べることを前提にすると、農薬のなるべくかかってないものが欲しい


錦自然農園のぶどうは、ジベレリン処理という成長ホルモンをつける以外は
化学農薬を使っていませんから、皮ごと食べたいときにいいと思います 


ぶどうの皮も捨てたもんじゃない、と意識が受け入れるまで、皮を食べるのは抵抗がある人も多いと思いますが

レスベラストロールは、ぶどうの果肉にも含まれています

なんにせよ、まるごと食べたほうがいいというのは、作物の基本みたいですね


桃の皮を食べ、芯までしゃぶりつくす、というお話を聞かせていただくと、
おーーそこまで愛してくれるんですか? と喜び半分しながら内心驚いてますが


「体が必要としとるとじゃなか?
 頭で食べるというより、体が求めとるもんを本能的に受け取る人は、そうすると思う
  
 とものりくんのつくるものは、そういうのを呼び起こす力があるとじゃ」


と、このブログによく出てくる料理人の言葉です


最後に、大事なこと忘れてました
忘れていたのは、錦自然農園ホームページに出ているぶどうの説明が
もう何年も前のものだったこと


チェックしないわたしが愚かもんですが、農薬は慣行農業の3割とか、鶏糞や牛糞を使うとか書いてありました

なんで・・・・?

毎年少しずつ減らしていったので、ホームページをひっくり返してなおさないと、3割とか2割とかいろんな数字が書いてあります

ただしくは、ジベ処理以外は無農薬です

しかし、あと一箇月以上ありますので、先のことはわからないです
このまま元気に成長してくれることを祈ってます


いちごも無農薬で途中までがんばったけど、最後に・・・・

無農薬ぶどうと、大きな声でいえるといいなと思ってますが
わたしたちは、そこに、それほどこだわりないです

いまは、木を元気にすることだけに目をむけてます







おいしいぶどうができるまで

「安芸クイーン(ぶどうの品種のひとつ)は、今年は出せそうにない」

と昨夜、園主がいいました

錦自然農園のショップのぶどうのページを開いていただいてもその名前は出てこないのですが、
昨年、たいへん人気を博した葡萄の品種でした
うちがつくると、みためは良くないのですが、店頭販売なんかで試食をおすすめすると、ほとんどの人がまず、目を大きく見開き、買っていきました。

ちらりと見ただけで軽く視線が通り過ぎる外観のしょぼさがきわだつ品種だったので、
よけいに味とのギャップに驚かれたのでしょう

「昨日たくさん買ったけど、もうなくなたんで、また買いにきた」なんて、
おじさまもいて、それくらいおいしいかったのです。

そのひとは、「こんなに安くてほんとによかと?」となんども聞いてましたっけ。


なぜその品種をホームページに出してないかというと、今年販売ができるかどうかビミョーだったからです

なぜ去年は販売できて、今年できるかどうかなんて言っているかというと、
去年と違う試みをしてみたから

その試みはみごと、裏目にでて、園主のことばで言うと

「実が流れちゃった」だそうです

ちっちゃな実しかつかず、おおくの実が落ちた、ということ



売り物が減ったからということ以上に、あのおいしい葡萄が食べられないのがとても残念!
今回裏目にでた新しい試みとは、「ジベ処理をしない」ということでした。
ジベ処理とは、ジベレリン処理の略


ぶどうに限らず、おおくのフルーツでこの処理は行われています。
しかしメインはぶどう

ジベレリンという農薬に、果実を浸して行います
これをすると、種無しぶどうになり、実が大きくなり、そもそも実が着く前に花が落ちることも防ぐので収穫を安定させます


多くの消費者のかたが店頭でひとめみて、「わーおいしそう!」と言ってくれるぶどうには、
ほぼジベ処理が行われています


いま、うちのぶどうは表向き、農薬使用は慣行(通常)農法の1割といっていますが
使っているのは、このジベ処理だけです


ジベをかんぜんになくすと、「無農薬ぶどう」デビュー!
有機JAS申請もできちゃったりする


しかしハードルはちょっと高い


「ぶどうの木がいま、成長期だからな。もうすこし安定したら、ジベしなくても大丈夫だと思う」

「でもほかのぶどうはジベしなくても、ちゃんと育ったよ」

「品種ごとの違いもあるし、木の場所もあるし、木の年齢も違うし、そういうのは試してみらんとわからんことなんよ」

「はあ、そっか~~~」


ときどきですが、いやわりとしばしば、かな。


「おたくのぶどう、種がありますか、ないですか」とお客様が注文の前に質問されることがあります

「ないこともある、あるものもある」

とお答えすると、ぴゅうーーーと引いていく音がします


「種無しなんて不自然! だんこ、種あり支持!」派のお客様がいらっしゃいますが、極めて少数派です
いま日本のぶどうがこれほど種無し全盛なのは、買う人がそれを求めているからですもん

某国立大学で種無し果実の研究をしているせんせいに取材したことありますが
なさっていることは、種があってあたりまえ、と思われているフルーツの種を抜くための研究

思えばわたしが中学生のころ、種をぺっぺと吐き出しながら、中学生たちが陸上競技場の観覧席に座ってぶどうを食べていた風景を覚えています

お行儀がわるーい、と思ったけど、あの風景はもう見られないということです



ジベレリンの正体は、成長ホルモン液。
植物由来ホルモン、ということでオーガニックな匂いをまとっていますが
ちゃんと化学農薬です


おいしい葡萄、おいしい桃、とひとことで言うけれど、その意味するものは一言ではとてもいえない



知り合いのメロン農家の、若くてとてもやる気のある人が、「今年のメロンはダメだった」と言っていました。

やっぱり、新しいこころみを試し、それが裏目に出たそうです

フルーツは年一回しか試せないのがキビシー

でも、そうやってその土地、その土、その気候にあった栽培方法を、ひとつずつ試しながらやっていくしかないんですね~


だから、80歳に近い、近所のベテラン果樹農家のおじさんも


「農業はわからん。何年やっても、何が正しいか、まだわからん」というし


「たぶん一生わからないから面白いんだ。だから俺は農業やれる。わかってたら、つまらんからやってられんかったと思う」

と言うのはうちの園主


私にはできないな、農業
とくに果樹は、男にむいている職業なのかな
それも「自分の意見しか聞かない男」むき


「自分が食べたいものつくりたい」といってそれができるのはきっと恵まれているってことなんでしょう



硬い桃と未熟桃はちがいますよん

「こんな美味しい桃は久しぶりに食べた」

「夫とともども感動しながら食べてます」


という言葉を再三聞かせていただく毎日のなかで、

同じくらいしばしば聞かせていただくのが


「送っていただいた桃、硬いんですけど。まだ熟れてなかったみたいで」

というお言葉です。


「あの~熟れてないというわけではなく、ああいう桃なんです」

と繰り返すしかありません。


「おたくの葡萄はほんとうに美味しいのにねえ。

桃は甘いけど、硬くて・・・」


去年たいへん葡萄をお気に召していただいたお客様から今日いただいたコメントでした

葡萄は好みだけど、
桃は好みではない、ということと受け止めました

これは当然あることで、しかたないです。
個性の強いフルーツを送り出す農家の宿命。


「こんなの序の口だあ
おれなんか、これまでどんだけ、毎年、硬い硬いと言われてきたか」


と園主。


「誰もかれもに好かれるものをつくる必要はないんだから」


はあ、そうです。さすが。わたしとは違う。




先日、二度目の白鳳を注文いただいたお客様からこんなメールをいただきました
(許可をいただいて転載します)


「美味しくいただきました。

柔らかい桃に慣れているので、届いた日と翌日は硬いと感じました。

種の周りをかじっていたら(これがまたウマイ!)

夫が「何の音?」って不思議そうに見ていましたから。

でも硬いのにジューシーなんですね。驚きでした。

今日届く桃が楽しみです。


母は3個目が最高だった!!と感動していました。こんな美味しい桃、食べていいのかしらと。


義父は桃大好き人間で、何でも柔らかい物が好き(入れ歯のせい?)なので柔らかくなるのを待っていただいているようです。」



ありがとうございます。
いろんな食べ方で楽しんでいただいているようで、とてもうれしく思いました


うちの桃は品種の個性が強いので、6月の桃のちよひめなどを食べていただいたら、またぜんぜん違う方向性に驚かれるかもしれません。

こちらもまた、大絶賛とその逆と両方のご意見をいただいてます



きょうはマヤ暦の大晦日にあたる日だそうです。
なるべくゆったりと過ごして一年を振り返るのにいい日だとか。
古代中国や日本の平城京では、この時期、身を祓い清めるために桃を食べたそうです。


中南米とアジアのミックスですが、
もしお手元に桃がありましたら、今日という日は桃を召し上がるのにぴったりの日のようです


うちの桃がお手元にない?
でしたら、


鹿児島の巴里市場さん、東京のリストランテ山崎さん、アクアパッツアさん、レストランKAIRADAさんなどにいくと、個性の強い、しばしば未熟モノと怒られている熟女桃が
美しく品のよい姿になっているのを召し上がることができるかもしれません。

知っているようで知らない桃の話

桃屋になって二年目

いつも園主に「ねえ桃って・・・」と聞いています


私が知らないことは、たぶん一般的にみんな知らないことだと思うので
ここでFAQ(よくある質問と答え)をやっちゃいます



①皮が手でむける桃が新鮮なんですか?


皮が手でむけるかどうかは、新鮮さとはあまり関係がありません。
皮が手でむけない桃は、新鮮である可能性が高いです。

手で皮がむけるときは、桃が熟しすぎ、という場合が多い気がします。

しかし、木になっているときの位置の違いによる日光のあたりかたの違いとか、収穫されてから冷蔵庫に入るまでの時間とか、そういう小さな条件でも変わるので、一概にいえません。


②皮の色がけっこう赤いですけど、品種がそういう品種だから?


皮にほとんど赤みがないもの、ピンクいろのもの、ほんのり赤みがさしているもの、真っ赤なもの
桃の品種によってこうした色の違いはあります。

ありますが、桃は工場のような管理で栽培しないかぎり、果樹園におけるその木の生えている位置とか、
木のなかで、その実がなっている場所とかで、色が違います

錦自然農園にも一部、ハウス栽培しています。
6月から7月はじめの早生の桃は部分的にハウス栽培です

品種によりますが、ハウスで栽培すると、皮の色はそれほど赤くなりません
ハウスでも赤くなるものはあります。錦自然農園のハウス育ちのちよひめは、真っ赤です

白鳳は、ハウスと露地では、別物のように色が違います露地で栽培し、またその実が木のなかでも、日差しのいっぱいあたる場所にあったりすると、まっかっかになります。

また白鳳という品種のなかでも、果肉に赤みのあるもの、白いものがあります。


③店で買うものより錦自然農園の桃は皮が汚いけどなんで?



それはいわば山育ちと温室育ちの違いです。

ハウスで雨をかんぜんによけ、風をよけしながら育てられた桃は、破綻のない形とすべらかな表面と、上品な色みをしています。

当農園の桃は、色が濃いだけでなく、まだらな色になりがちです。

それを避けるために、露地でも、「遮光する袋」で袋がけをするところは多いです。

皮がきれいな色に仕上がるからです

しかし当農園では、太陽を当てることで味を深めたいので、それは使いません。


ごく小さな実が現れる3月以降、ずーっと太陽にあたり続け、雨に風に高温に、ときに氷点下の気温になぶられてきた錦自然農園の桃は、山そだち。

実を結び、それが収穫されるまでの間には、自然に落ちた実、枯れた実、実が小さい形が悪いという理由で私たちの手で取り除かれた実が9割以上。

生き残った桃は、過酷な条件にはぐくまれた、相当にたくましい桃たちなのです。


しかし、それでもお客様のお目にかけるにはまだ見かけの悪いものがたくさん。
最期にそれらを一斉にとりのぞきます。

太陽を浴びすぎた、桃を熟知する野鳥に狙われた桃は、汚い。
だけど美味しい。


写真うつりのよい綺麗な桃は、さまざまな方法で自然の力を薄めないと、つくるのが難しい
自然の力を薄く小さくし、人間にコントロールできる部分を増やすことは、農家にとっては収入を増やすてっとりばやい方法でもありますが、味わいも小さく、薄くなってしまうのは避けられません。


④同じ品種なのに果肉の色が赤かったり、白っぽかったりいろいろあるのはなぜ?


太陽に当たることの多い木の高いところや端っこになっている桃は赤くなります。

また、茂るはっぱに日照を邪魔されて来なかった桃は、赤く赤くなることが多いです。

白鳳は実が赤くなることが多いですが、白さ、赤さで、味のよしあしは決まりません。

赤いのだけ、白いのだけ、というご注文にはいまのところ応じていません

絶対にできない、といういみではないです



⑤包丁を使わないと皮がむけないのは、まだ熟してないってこと?


包丁じゃないと皮がむけないのは、先にも述べましたが、新鮮な証拠である場合が多いです

熟してない実を収穫することは基本的にありません(特別にそれをお求めの場合には応じています)




⑥果汁がたっぷりで、柔らかくて、おいしい桃の品種はどれ?


言葉にすると、その特長はどの品種にもあてはまります。
言葉にできないですが、品種ごとの特長はおおいにあります。

みかんの「はっさく」と「ネーブル」が違うことは皆さんご存知ですが
桃にもそれくらい、特長の違いがあります

しかし同じ「はっさく」でも、生産者によってまったく味が違います

また同じ生産者の同じ品種でも、収穫する日、収穫する木によって、味は違ってきます

とくに先にも述べましたが、自然に近い栽培方法をとっている当農園ではそれが顕著になります。

品種の特長をことばにすることが、なぜ難しいかおわかりいただけますでしょうか



⑦錦自然農園の「贈答用」と「家庭用」の違いは、つまるところ何?



贈答用と家庭用の違いは、その日の収穫のなかで見た目のもっともよいものがまず、贈答用として選び出され、箱詰めされます。

残ったもののなかから家庭用が選びだされ箱詰めされます。

大量のご注文をいただく料理関係者さまのために業務用というのを用意しておりますが、それはその後に選別されます。形がいびつだったり、小さかったり、皮表面に傷があったりするものも含まれますが、味が悪いというわけではありません。



⑧自分の好みはもうすこし柔らかい桃なんだけど、送られてきたものは私の好みからすると硬いと感じる。どうすればいい?


収穫後、地域によっては当日あるいは翌日にはお手元に届きます。
小売店や百貨店で買い求めるものより、「硬い」のは新鮮さのあかしです。

また、白鳳、川中島白桃など後期の桃は、果肉の繊維が密になっており、硬さを感じることもあるかと思います。

噛む必要もないほどやわらかい桃もいいですが、
噛むほどに味わいが奥からしみでてくる桃、果肉の食感を楽しむ桃もあります。


もっと柔らかくして食べたいときは、箱ごとではなく、次に食べるだけの量を冷蔵庫からだして室温で保管してください。

すぐに食べないものは、冷蔵庫にいれ保管してください。

常温保管の際は、長時間に及ぶと変色をまねくことがありますので、ご注意ください。





95歳のご感想

ずいぶん前に、14歳の女の子がオリンピックで金メダルをとった際

「今まで生きてきたなかで一番しあわせ」と語ったのが話題になりましたが

昨日、

「こんな美味しい桃は初めて食べた」

と言っていただいたという方が

95歳

のおばあさまだったと聞いて、うれしくなりました

40歳の人がいうより、60歳の人がいうより、95歳の人にいわれると重みが・・・


「ここ数年毎年おたくの果物は食べておりますのに、昨日病院にもっていったらそう申しまして」

と、お電話をくださったお客様のお気持ちがとてもうれしく、ありがたかったです
わが農園の定点観測者であるおばあさまに、来年も同じセリフを言ってもらえるようガンバリマス!


「先に親戚に送っていただいて、美味しかったという連絡は受けておりましたけど、本当に美味しかった。

待ったかいがありました」


何十日もお待たせしてしまったので、とても恐縮しておりました

ありがとうございました



美味しいも美味しいの反対も、果樹しだい
料理は火加減や塩加減を調節できるけど、作物は調節できることなんてほとんどない
どんなにアレコレやったと自慢げにいっても、対する自然はそんなこと鼻でせせら笑いそうなデカさなのですから


フルーツをほめていただいても、その反対でも
少しも顔を変えない園主の気持ちがちょっとわかるようになってきました


でも、氷点下の寒い夜に桃畑を温めていた苦労が報われる瞬間は
おきゃくさまの「美味しかった」を聞かせていただくときです



さー、ぶどうが、袋のなかでどんどん大きく育っています
早く食べたいな~~~!!


出てこいっ ポリフェノールっ 


DNAが震える桃

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さっき、熊本の友人から電話かかってきました
自分の店で料理人をしているひと
ジャムの味見てもらったりとかでお世話になっている

桃を送ったのです



「DNAにふるえが来たよ。

お行儀が悪いと思ったけどわたし、種までしゃぶった
種に近くなるほど、果肉の味がすごく懐かしいものになっていくんよね

何かを思い出すというか
古い記憶に触れる味よね

さっきトマトソースつくって生ハムとカッペリーニにしたけど、
にんにくも玉ねぎもいれたのに、桃が全然まけとらん

おたくの桃は、皮色も強烈に濃いし、よそのと違う

包丁で切りながら思ったけど、果肉はしっかりしとるのに果汁も
すごい出てくるよね

桃にものすごくパワーがある

鳥肌がたったもん

食べるとDNAがふるえる、ほんとにそういうかんじやった

とものりくんは、やっぱ特別な何かをもっとらすよ
こないだのブログにあげとらしたキャンプのときの満月の写真もすごかったし

あれよね

おたくのダーリンには、自然のエネルギーを転写する? 自然のエネルギーを受け止めて、
それを形にして伝える能力があるとよね


桃は奈良時代の遺跡が発掘されたとき、祭祀に使う道具といっしょに何千という数の桃の種が発見されたというの読んだことがあるけど、桃は古くは、けがれを祓うものとされとったんよね

だから今の時期、たくさん桃を食べよったよんよ昔のひとは

最近すごく桃が食べたかったんよ

だから今日はすごくありがたかった

ありがとお~~~」


という電話でした


「うれしいことしゃべってくれてるのに、メモしてないから忘れそう。書いてくれたらうれしいのに」

といった私でしたが、書き始めてみるとちゃんと覚えてました


電話をきったあと、すぐにかれのとこにいって、言われたこと全部しゃべったせいか
話終わると、


「えーー、うそーー、だいじょうぶ~?」


と彼女のあたまのほうを心配する園主でした


じっさい、今ひとつのピークだと思います
桃の味はすごく変わっていきます
今日はふだんよりすごくいっぱい桃を食べたけど、それは今日、おいしかったから

最近は桃にちょっとあきて、一個も食べない日も少なくなかったのです


この先桃の味がどうなっていくのかは、ほんとにほんとに、
おてんとさまと桃の精しか知らないこと


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PS あーあ こういうありがたいご意見、けっこう収集しているのに、
ホームページの「お客様の声」を更新してくれない園主 
朝から夜まで桃いじって、夜も注文関係でPCいじって、HPにたどり着かないのは仕方ないんですが・・。

わたしがやれ? 
HPビルダー、使えないんです~


わかってます・・・・・・・・・・